テルミンとの出会い
さて、今回は僕とテルミンとの出会いについて語りたいと思います。
僕がテルミンの存在を始めて知ったのは、たぶん高校時代。
レッド・ツェッペリンの「胸いっぱいの愛を」とか、ビーチボーイズの「グッド・ヴァイブレーション」とか、「ウルトラQ」のテーマソングで使われている*1、『ひゅんひゅん』いう音はテルミンというものらしい…という話を聞いたのが最初。
とはいえ、聴いたことがある人ならば判ると思うけれども、これらの曲でのテルミンの音。
まるでオバケでも登場しそうな…、酔っ払ってウイスキーをこぼしてしまって故障したシンセサイザーのような、不気味で奇妙な音…………
そんな音を聴いて、
「まあ、つまりテルミンってのはこういう効果音を出す楽器なワケね…。」
と当時の僕は思っていたのでした。
(おそらくこれは、大抵の人と同じ認識なのだろうと思うけど。)
それから、何年か経った2001年の暮れ。
4年ほど勤めたバイトを辞めて、しばしの休養を楽しんでいた僕は、地元近くの町のミニシアターで何気なく
「テルミン」~THEREMIN,AN ELECTRONIC ODYSSEY~
という映画を鑑賞。(ちなみにその時の日記はこちら 。)
この作品は、世界最古の電子楽器である「テルミン」と、それを発明したロシア人物理学者テルミン博士の、激動の人生を描いたドキュメンタリー作品。
先ほども述べたとおり、テルミンに関しては「『ひゅうひゅう』いうだけのヘンテコな楽器」くらいの知識しか持っていなかった僕は、その映画の冒頭でテルミン博士の愛弟子、クララ・ロックモアさんが奏でるテルミンの演奏にビックリ!
ああ、テルミンは効果音だけではなく、曲を演奏できる楽器なのか…。
さらに、その独特の美しい音色。
弦楽器のような、歌声のような、どこか哀しげなその音色……。
その日以来、僕はいつかテルミンを演奏する日を夢に見つつ、毎日「テルミン、テルミン…ン~」とココロの中でつぶやきながら生きていくことになったのでした。(つづく)